「話題の『生ドーナツ』、食べてみたいけれど有名店は数時間待ちの行列…」
「近所に売っているお店がない…」
そんなふうに諦めていませんか?
実は、あの口の中で「シュワッ」と消える魔法のような食感は、スーパーで買える材料だけで、あなたの家のキッチンで再現できるんです。
元パティシエであり、現在は2児の母として「おうちおやつ」を研究している私が断言します。生ドーナツ作りで最も難しいのは、特別な材料を揃えることではなく、「水分たっぷりの柔らかい生地」をどう扱うか、ただその一点だけです。
この記事では、多くの人が挫折してしまう「生地のベタつき」を回避するプロのコツを交えながら、誰でも失敗なくお店レベルの味に辿り着けるレシピを完全公開します。
週末は、揚げたての極上ドーナツで、家族みんなを驚かせてみませんか?
👤 この記事を書いた人
パティシエ・ミサ
元製菓専門学校講師・パティシエ。現在は「プロの技術を家庭のキッチンサイズに翻訳する」をテーマに活動するお菓子作り研究家。
「お店の味」は、特別な道具がなくても、ちょっとした「理屈」を知れば家で作れます。失敗した経験も包み隠さず話し、あなたの「初めての挑戦」を全力でサポートします。
なぜ「生」なの?普通のドーナツとの決定的な違い
そもそも、今ブームになっている「生ドーナツ」とは何なのでしょうか?
「生焼けなの?」「生クリームが入っているから?」と疑問に思う方も多いですよね。
結論から言うと、生ドーナツの「生」は、「口溶けの良さ」と「生地の生っぽさ(レア感)」を表現した言葉です。
🍩 生ドーナツを構成する2つの要素
| 要素 | 特徴 | 普通のドーナツとの違い |
|---|---|---|
| 1. ブリオッシュ生地 | 卵とバターをたっぷりと使った、リッチで黄色い生地。 | オールドファッションのような「サクサク」ではなく、パンのような「ふんわり」感が強い。 |
| 2. 高加水(こうかすい) | 小麦粉に対して、水分(牛乳や卵)の割合が非常に高い。 | 水分が多いことで、パサつかず、口に入れた瞬間に溶けるような食感が生まれる。 |
つまり、生ドーナツの正体は、「限界まで水分を含ませた、超リッチな揚げパン」なのです。
多くのレシピでは、生地の中に生クリームを練り込んだり、揚げた後にクリームを詰めたりしますが、最大の特徴はこの「生地そのものの口溶け」にあります。
✍️ 専門家の経験からの一言アドバイス
【結論】: 「生ドーナツ」作りで最も大切なのは、「生地の水分を減らさないこと」です。
なぜなら、扱いやすくしようとして粉を足しすぎると、せっかくの「生食感」が失われ、ただの「固い揚げパン」になってしまうからです。私が初めて作った時も、ベタつく生地にイライラして粉を足してしまい、パサパサの失敗作を作ってしまいました。この後紹介する「粉を足さずに扱うコツ」が、成功への鍵です。
最大の難関「ベタベタ生地」を攻略する3つのプロ技
生ドーナツ作りにおいて、皆さんが必ずぶつかる壁。それが「生地がベタベタして手にくっつき、成形できない問題」です。
水分が多い生地はおいしい反面、非常に扱いにくいのが難点。でも、プロは決して魔法を使っているわけではありません。以下の3つのルールを守るだけで、驚くほどスムーズに作れるようになります。
1. 「冷やす」が最強の武器
バターたっぷりの生地は、温度が上がるとすぐにダレてしまいます。
「扱いにくいな」と思ったら、すぐに冷蔵庫へ。
生地を冷やしてバターを固めることで、打ち粉を大量に使わなくても、手で扱える硬さになります。
2. クッキングシートを「座布団」にする
柔らかい生地を、手で持ち上げて油に入れるのは至難の業です。形が崩れてしまいます。
そこで、1個ずつカットしたクッキングシートの上で発酵させ、シートごと油に入れます。
これなら、生地に直接触れずに揚げ鍋へ投入できるので、綺麗な丸い形をキープできます。
3. 叩きつけず、優しく扱う
パン作りでよく見る「バンバン叩きつける」こね方は、生ドーナツには向きません。
グルテン(弾力)を出しすぎると、口溶けが悪くなってしまいます。
「優しく、なめらかに」混ぜ合わせるイメージを持ちましょう。

【実践編】おうちで再現!奇跡の生ドーナツ・レシピ
それでは、いよいよ実践です。
今回は、スーパーで手に入る材料だけで、お店の味に限りなく近づけた配合をご紹介します。
📋 材料(6個分)
- 強力粉: 150g
- 砂糖: 25g
- 塩: 3g
- ドライイースト: 3g
- 卵(Mサイズ): 1個
- 牛乳: 40ml(人肌に温める)
- 無塩バター: 30g(室温に戻して柔らかくしておく)
- 揚げ油: 適量
- グラニュー糖(仕上げ用): 適量
👩🍳 作り方ステップ
STEP 1: 混ぜる・こねる
ボウルにバター以外の材料を全て入れ、ゴムベラで混ぜ合わせます。粉っぽさがなくなったら、手でなめらかになるまでこねます。
ある程度まとまったらバターを加え、さらにこねます。
- ポイント: 最初はベタつきますが、バターが馴染むとツヤが出てきます。
STEP 2: 一次発酵
生地を丸めてボウルに入れ、ラップをして温かい場所(30℃前後)で約60分放置します。
生地が2倍くらいの大きさになればOKです。
STEP 3: 分割・ベンチタイム
ここからが勝負です!
生地を軽く押してガスを抜き、6等分にします。
丸め直して、濡れ布巾をかけて15分休ませます(ベンチタイム)。
- 注意: 生地がベタつく場合は、薄く強力粉(分量外)を手につけてください。
STEP 4: 成形・二次発酵
ここで「クッキングシート」の登場です!
10cm角に切ったクッキングシートの上に、丸め直した生地をちょこんと乗せます。
そのまま天板に並べ、乾燥しないようにして、一回り大きくなるまで約40〜50分発酵させます。
STEP 5: 揚げる
揚げ油を160℃〜170℃(低めの中温)に熱します。
クッキングシートごと、生地を油に入れます。
シートは自然に剥がれてくるので、トングで取り除きます。
片面2分ずつ、両面がきつね色になるまで揚げます。
STEP 6: 仕上げ
熱いうちに、バットに広げたグラニュー糖の中で転がし、全体にまぶせば完成!
生ドーナツ独特の食感が生まれる秘訣は、最後の工程にも。生地を高温の油で短時間揚げるのがポイントです。
出典: いま話題の生ドーナツの作り方とは?ふわもち食感を完全再現 – 神戸製菓専門学校, 2023-06-29
※補足:私のレシピでは、中まで火を通すために160-170℃を推奨していますが、慣れてきたら少し温度を上げて「外カリッ中ジュワッ」を目指すのもおすすめです!
よくある失敗とリカバリーQ&A
初めて作る時は、予期せぬことが起こるもの。でも大丈夫、リカバリー方法はあります。
Q1. 生地がどうしてもベタついて成形できません!
A. 迷わず冷蔵庫へ入れてください。
無理に作業を続けると、手の熱でバターが溶けてさらにドロドロになります。15分ほど冷蔵庫で冷やせば、驚くほど扱いやすくなりますよ。
Q2. 揚げたら中が生焼けでした…
A. 油の温度が高すぎた可能性があります。
生ドーナツは糖分が多いので焦げやすいです。160℃という低めの温度で、じっくり火を通すのがコツです。もし生焼けになってしまったら、電子レンジ(600W)で20秒ほど加熱すると、中まで火が通って食べられるようになります(食感は少し変わりますが、捨てずに済みます!)。
Q3. お店みたいにクリームを入れたい!
A. 菜箸で穴を開けて注入しましょう。
揚げて粗熱が取れたら、ドーナツの側面に菜箸を刺してグリグリと空洞を作ります。そこに絞り袋に入れたホイップクリームを注入すれば、夢の「クリーム入り生ドーナツ」の完成です!
まとめ:週末は家族で「おうちカフェ」を開こう
「生ドーナツ」作りは、生地の水分量との戦いですが、「冷やす」「シートを使う」という武器さえ持っていれば、決して難しいものではありません。
揚げたてのドーナツを頬張った瞬間の、あの「シュワッ」と溶ける幸福感。
「ママすごい!お店みたい!」という子供たちの笑顔。
これは、自分で作った人にしか味わえない特別なご褒美です。
今度の週末は、ぜひこのレシピで、あなただけの「おうちカフェ」をオープンさせてみてくださいね。
📚 参考文献リスト
- 生ドーナツって何が生なの?普通のドーナツとの違いをご紹介 – DELISH KITCHEN
- クリームたっぷり!基本の生ドーナツ | レシピ – 富澤商店
- いま話題の生ドーナツの作り方とは?ふわもち食感を完全再現 – 神戸製菓専門学校


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