街の花屋さんの店先に、ふわふわとした黄色いポンポンが並び始めると、「ああ、春が来たんだな」と心が弾みませんか?
春の訪れを告げる幸せの花、ミモザ。
その愛らしい姿から、リースやスワッグとしてインテリアに取り入れる方も多いですよね。
でも、ちょっと待ってください。
あなたが何気なく手に取ったそのミモザ、実は「色」によって全く違うメッセージを持っていることをご存知でしょうか?
「感謝」や「友情」といった温かい意味が有名な一方で、中には「秘密の恋」や、ドキッとするような深い愛情を示す言葉も隠されています。
この記事では、フローリストとして日々花と向き合う私が、ミモザの花言葉の本当の意味と、3月8日「ミモザの日」を最高に楽しむためのイタリア流の習慣をご紹介します。
ただ飾るだけではもったいない。
今年の春は、ミモザに「想い」を乗せて、大切な人に届けてみませんか?
この記事の著者:
花村 咲(はなむら さき)
フローリスト / ボタニカルライフプランナー
「花は、言葉にできない想いを伝える翻訳機」をモットーに、季節の花言葉と暮らしの楽しみ方を提案。特にミモザの季節には、毎年100個以上のリースを制作するほどのミモザ愛好家。
ミモザ全般の花言葉:「感謝」と「友情」が紡ぐ絆
ミモザ全体に共通する花言葉は、「感謝」「友情」「優雅」「密かな愛」です。
なんて温かくて、優しい響きなんでしょう。
私がミモザを大好きな理由の一つは、この花言葉が「誰かとつながること」を前提としているからです。
特に「友情」という花言葉は、ミモザの小さな花が集まって咲く姿に由来すると言われています。一つひとつは小さくても、寄り添い合うことで大きな輝きを放つ。まるで、私たち人間関係そのものだと思いませんか?
また、「密かな愛」という少しロマンチックな意味は、かつてアメリカ先住民の男性が、想いを寄せる女性に無言でミモザの花束を渡し、愛を告白したという習慣から来ているそうです。言葉よりも雄弁な黄色い花束。想像するだけで胸がときめきますね。
✍️ 専門家の経験からの一言アドバイス
【結論】: 友人に贈るなら、あえて「花言葉カード」を添えてみてください。
なぜなら、ミモザ=可愛い花という認識はあっても、「友情」という花言葉まで知っている人は意外と少ないからです。「これからも仲良くしてね」という言葉と共に、「友情」の花言葉を添えれば、あなたの想いは何倍にも深く伝わりますよ。
【要注意】色で変わる花言葉と植物学的な真実
さて、ここからが本題です。
「ミモザ」と一言で言っても、実は色によって花言葉がガラリと変わります。中には誤解を招きかねないものもあるので、プレゼントする際は少しだけ注意が必要です。
1. 黄色のミモザ:「秘密の恋」
私たちが普段目にする鮮やかな黄色のミモザ。
その花言葉は「秘密の恋」や「真実の愛」です。
「秘密」と聞くと、なんだか不倫や許されない恋を想像してしまうかもしれませんが、安心してください。これは先ほどお話ししたインディアンの告白の習慣に由来する、「私の胸の内にある、あなたへの熱い想い」を表す純粋な言葉です。
2. 白いミモザ:「頼られる人」「死にも勝る愛情」
ここが一番の注意ポイントです。
実は、花屋で「白いミモザ」として売られている植物の多くは、植物学的にはミモザ(アカシア属)ではなく、「ニセアカシア(ハリエンジュ属)」という全く別の植物なんです。
このニセアカシアには、樹皮や種子に毒性があることから、「死にも勝る愛情」という、美しくも少し怖い花言葉がつけられています。「毒があるほどに強い愛」と捉えれば情熱的ですが、贈る相手によっては驚かれてしまうかもしれませんね。
3. オレンジのミモザ:「エレガント」「上品」
黄色よりも少し深みのあるオレンジ色のミモザ。
その花言葉は「エレガント」「上品」です。
明るく元気な黄色のイメージとは対照的に、落ち着いた大人の女性を思わせる雰囲気があります。目上の方や、シックなインテリアを好む方への贈り物にぴったりです。
贈る相手に合わせて選びたい!ミモザの色別ガイド
| 色 | 花言葉 | ニュアンス | おすすめの相手 | 注意点 |
|---|---|---|---|---|
| 黄色 | 秘密の恋 真実の愛 | 情熱的、純粋 | パートナー、片思いの相手 | ネガティブな意味ではないので安心してOK |
| 白 | 頼られる人 死にも勝る愛情 | 深い絆、献身 | 家族、信頼する上司 | 植物学的には「ニセアカシア」。毒性由来の言葉に注意 |
| オレンジ | エレガント 上品 | 洗練、大人 | 先輩、恩師 | 品種やドライフラワーの状態を指すことも |
3月8日「ミモザの日」は女性が主役!イタリア流の楽しみ方
3月8日が「国際女性デー」であることをご存知の方は多いと思いますが、イタリアではこの日を「Festa della Donna(フェスタ・デラ・ドンナ=女性の日)」と呼び、街中がミモザ色に染まることをご存知でしょうか?
イタリアでは、男性が感謝を込めて、母親、妻、友人、会社の同僚など、身近な女性たちにミモザを贈る習慣があります。恋人だけでなく、「すべての女性」へ贈るのがポイントです。
そして何より素敵なのが、この日の女性たちの過ごし方。
家事や育児、仕事を少しお休みして、女性同士で集まって食事やおしゃべりを楽しむ「女子会」の日でもあるんです!

誰にどう贈る? シーン別おすすめガイド
「花言葉もイタリアの習慣もわかったけれど、実際どうやって贈ればいいの?」
そんなあなたのために、シーン別のおすすめギフトスタイルをご提案します。
1. 友人へ:「友情」を束ねたカジュアルなリース
重たくならず、センスの良さを感じさせるなら「リース」が一番。
「友情」の花言葉を添えて、「これからもよろしく」の気持ちを伝えましょう。ドライフラワーになっても長く楽しめるので、インテリアとしても喜ばれます。
2. パートナーへ:「感謝」と「愛」を込めたブーケ
普段は照れくさくて言えない「ありがとう」も、ミモザの力を借りれば素直に言えるはず。
黄色いミモザの「秘密の恋(=あなただけを想う)」という花言葉をカードに忍ばせて、少し大きめのブーケを贈ってみては?
3. 自分へ:春を呼び込む一輪挿し
誰かからもらうのを待つ必要はありません。
自分のためにミモザを買って、お気に入りの花瓶に飾る。それだけで部屋がパッと明るくなり、気持ちも前向きになります。「自分へのエール」として飾るのも、立派なミモザの楽しみ方です。
怖い意味はある? 誤解を解くQ&A
最後に、よく聞かれる質問にお答えしておきますね。
Q. 「秘密の恋」って、不倫の意味ですか?
A. いいえ、違います。
先ほどもお伝えした通り、これは「秘めたる熱い想い」を表す言葉です。後ろめたい意味はないので、堂々と贈って大丈夫ですよ。
Q. 白いミモザの「死」という言葉が怖いです…
A. 「死ぬほど好き」と捉えてみましょう。
確かにドキッとする言葉ですが、裏を返せばそれだけ愛情が深いということ。ただ、誤解を避けたい場合は、メッセージカードで「深い愛」という言葉に変換して伝えるとスマートですね。
まとめ:今年の春は、ミモザで想いを伝えよう
ミモザは、ただ可愛いだけの花ではありません。
「感謝」「友情」、そして「深い愛」。
たくさんの温かい言葉が、あの小さな黄色い粒の一つひとつに詰まっています。
今年の3月8日は、大切な人に、そして頑張っている自分自身に、ミモザを贈ってみませんか?
その明るい黄色が、あなたの春をきっと幸せなものにしてくれるはずです。
参考文献リスト
- 『花言葉・花事典』池田書店
- 『イタリアの祝日と年中行事』
- Minne「ミモザの花言葉」特集ページ
- GreenSnap「ミモザとアカシアの違い」


コメント