「ほとんどの人がスマホを持っている」
これを英語で言おうとして、自信満々にこう言っていませんか?
“Almost people have smartphones.”
……残念ながら、これは間違いです。
ネイティブスピーカーには、まるで「もう少しで人間になれそうな(でも人間じゃない)何かがスマホを持っている」という、SF映画のような奇妙なニュアンスに聞こえてしまうかもしれません。
「えっ、辞書には『ほとんど』って書いてあるのに!」
そう思ったあなた、大丈夫です。これは日本人の英語学習者が最も陥りやすい罠の一つです。
この記事では、「Almost」の本当の正体(コアイメージ)を解き明かし、二度と「Most」と迷わなくなるための明確な使い分けルールを伝授します。
【著者情報】
ケンジ先生(英語イメージトレーナー)
TOEIC満点、英検1級。海外経験なしで英語を習得した経験から、「日本語の訳語」ではなく「ネイティブの感覚(イメージ)」で捉える学習法を提唱。著書に『直感でわかる英語の正体』など。
1. Almostの正体は「寸止め」! コアニュアンスを理解する

まず、「Almost = ほとんど」という日本語訳を一旦忘れてください。
Almostの本当の姿(コアイメージ)はこれです。
「あと一歩で届かない(寸止め)」
100%というゴールテープの直前まで来ているけれど、まだゴールしていない状態。これがAlmostです。
例えば、“I almost died.” という文。
これは「私はほとんど死んだ」ではなく、「死ぬ直前まで行った(けど死んでない)=死にかけた」という意味です。
この「ギリギリ届いていない」感覚こそが、Almostの本質なのです。
2. 【脱・日本人英語】なぜ “Almost people” はNGなのか?
では、冒頭の “Almost people” がなぜ間違いなのか、その謎を解きましょう。
理由はシンプル。品詞のルールです。
- Almost は 副詞 です。
- Most は 形容詞(または代名詞)です。
英語の鉄則として、副詞は名詞(people)を直接修飾できません。
副詞が修飾できるのは、動詞、形容詞、または他の副詞だけです。
Almost vs Most 決定的な違い
| 単語 | 品詞 | 修飾できるもの | OKな例 | NGな例 |
|---|---|---|---|---|
| Almost | 副詞 | 100%を表す語 (all, every, no など) | Almost all people (ほとんど全ての人) | (人間になりかけの何か) |
| Most | 形容詞 | 名詞 | Most people (大部分の人) | (形容詞+形容詞で変) |
ネイティブの脳内変換
あなたが “Almost people” と言った時、ネイティブの脳内ではこんな処理が行われます。
- “Almost”(副詞だ。「〜に近い状態」ってことだな)
- “people”(名詞だ。「人間」か)
- “Almost people”(人間に近い状態……? 半魚人? サイボーグ?)
だからこそ、正しく伝えるには以下の2つのどちらかを使う必要があります。
- Most people … (形容詞 Most が直接 people を修飾)
- Almost all people … (副詞 Almost が「100%」を表す形容詞 all を修飾し、all people がひとかたまりになる)
✍️ 専門家の経験からの一言アドバイス
【結論】: 迷ったら “Most people” を使いましょう。
なぜなら、”Almost all people” は文法的にも意味的にも正しいですが、少し強調した(99%くらいの)ニュアンスになります。日常会話で単に「世の中の多くの人は〜」と言いたい時は、シンプルに “Most people” と言う方が自然で、ミスも減らせます。
3. これで完璧! Almostが修飾できるものリスト
Almostは「寸止め」なので、「ゴール(100%)」や「ゼロ地点(0%)」を表す言葉と非常に相性が良いです。これらをセットで覚えてしまえば、もう迷いません。
① 100%を表す言葉(全部、いつも、完了)
- Almost all (ほとんど全て)
- Almost every (ほとんどどの〜も)
- Almost always (ほとんどいつも)
- Almost finished (ほとんど終わった)
② 0%を表す言葉(何もない、決してない)
- Almost no (ほとんど〜ない)
- Almost nothing (ほとんど何もない)
- Almost never (滅多に〜ない)
③ 変化を表す動詞(死ぬ、落ちる、忘れる)
- Almost died (死にかけた)
- Almost fell (落ちかけた)
- Almost forgot (忘れかけていた=思い出した)
4. よくある疑問:Nearly との違いは?
「Almost と Nearly はどう違うの?」という質問もよく受けます。
結論から言うと、日常会話ではほぼ同じと考えてOKです。
ただし、微妙なニュアンスの違いがあります。
- Almost: 「あと少しで届かない」という事実に焦点。(より100%に近いイメージ)
- Nearly: 「近くまで来ている」という過程に焦点。
また、否定文での使い方が決定的に違います。
- ⭕ Not nearly as good as… (〜ほど良くは全然ない)
- ❌ Not almost … (この言い方はしません)
まとめ:Almostは「名詞にくっつかない」と覚えよう
今日のポイントはたった一つです。
Almost は「副詞」だから、名詞(peopleなど)に直接くっつかない。
これさえ覚えておけば、”Almost people” というミスは防げます。「ほとんどの人」と言いたい時は、Most people か、ワンクッション置いて Almost all people。
この感覚を掴めば、あなたの英語は「人造人間」から「ネイティブ感覚」へと、Almost ではなく Completely(完全に)進化するはずです!
[参考文献リスト]


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