【例文あり】「五月雨式に申し訳ございません」は失礼? 正しい意味とメール術

仕事・ビジネス・マナー

「さっきメールしたばかりなのに、添付ファイルを忘れていた……」
「追加で伝えなきゃいけないことが出てきた……」

ビジネスメールを送った直後に、また連絡しなければならない状況。気まずいですよね。
そんな時、あなたの救世主となるのが「五月雨式(さみだれしき)に申し訳ございません」というフレーズです。

「えっ、五月雨? 雨のこと?」と不思議に思うかもしれませんが、この言葉は日本のビジネスシーンにおいて、「連続して連絡してごめんね」という気持ちを、風情ある言葉で柔らかく伝えるための魔法のクッション言葉なのです。

この記事では、ビジネスコミュニケーションの専門家である私が、この言葉の正しい意味から、明日からそのまま使えるメール例文、そして「使ってはいけないNGシーン」までを徹底解説します。


【著者情報】
佐々木 啓介(ビジネスメール・コンサルタント)

元大手商社営業マン。月間3,000通のメール対応で培った「相手を動かす文章術」を提唱。著書に『一瞬で信頼を勝ち取るメールの作法』など。

1. なぜ「五月雨」なの? 言葉の正体とニュアンス

まず、言葉の意味をクリアにしましょう。
「五月雨(さみだれ)」とは、旧暦の5月(現在の6月頃)に降る梅雨(つゆ)のことです。

梅雨の雨は、ザーッと降って終わりではなく、降ったり止んだりを繰り返しながら、ダラダラと長く続きますよね。
ここから転じて、ビジネスでは以下の意味で使われます。

  • 五月雨式: 物事が一度に終わらず、断続的にダラダラと続くこと。
  • 五月雨式に申し訳ございません: 「一度にまとめて連絡できず、パラパラと小分けに送ってしまってすみません」というお詫び。

つまり、この言葉には「本来なら一度で済ませるべきところを、私の手際が悪くて何度もお手間を取らせてしまいます」という、相手への配慮(謙遜)が含まれているのです。

2. 【コピペOK】状況別・そのまま使えるメール例文集

意味がわかったところで、実践編です。
メールの冒頭にこの一言があるだけで、相手は「ああ、追加の連絡ね」とスムーズに受け入れてくれます。

ケースA:資料の添付忘れ・追加送付

最も多いパターンです。さっきのメールにファイルを付け忘れた時などに使います。

件名: 【資料添付】先ほどのメールの補足(株式会社〇〇 佐々木)

〇〇様

お世話になっております。
株式会社〇〇の佐々木です。

五月雨式に申し訳ございません。
先ほどのメールに添付し忘れておりました資料をお送りいたします。

お手すきの際にご確認いただけますと幸いです。
よろしくお願いいたします。

ケースB:情報の訂正・追加連絡

送信直後に「あ、日程が間違ってた!」「これも伝えなきゃ」と気づいた時に。

件名: 【訂正】お打ち合わせ日程について

〇〇様

五月雨式のご連絡となり申し訳ございません。
先ほどご提示した日程に一部誤りがございました。

(誤)10月5日(月) 14:00
(正)10月5日(月) 16:00

混乱を招いてしまい恐縮ですが、何卒よろしくお願いいたします。

ケースC:納品物を分割して送る時

データ容量が大きすぎて一度に送れない時や、完成したものから順次送りたい時に便利です。

件名: 〇〇案件の納品について(1/3通目)

〇〇様

五月雨式の納品となり恐縮ですが、
まずは完成いたしましたデザイン案のAパターンをお送りします。

残りのBパターン、Cパターンにつきましても、
本日中に順次お送りさせていただきます。

3. ここに注意! 「五月雨式」を使ってはいけない3つのNGシーン

便利な言葉ですが、万能ではありません。以下の場面では使わないようにしましょう。

❌ NG1:口頭(会話・電話)で使う

「五月雨式」は書き言葉(文語)としての性格が強い言葉です。
会話の中で「さみだれしきにすみません」と言うと、相手は「え? 何式?」と聞き返してしまうかもしれません。
口頭では「度々(たびたび)すみません」「何度も申し訳ありません」と言うのが自然です。

❌ NG2:重大なミスの謝罪

「五月雨式」はあくまで「連絡の手順」に対するお詫びです。
重大なクレームやトラブルの謝罪メールでこれを使うと、「小分けにしてすみません」という論点のズレた謝罪になり、相手の神経を逆なでする可能性があります。
深刻な場面では、単に「多大なるご迷惑をおかけし、深くお詫び申し上げます」とストレートに謝りましょう。

❌ NG3:相手が言葉の意味を知らなそうな場合

新入社員や、日本語に不慣れな外国人スタッフに対して使うと、意味が通じないことがあります。
相手に合わせて「立て続けにご連絡してすみません」と言い換えるのも、大人の配慮です。

4. 「五月雨式」以外の言い換えバリエーション

状況に合わせて、以下の言葉を使い分けるとさらにスマートです。

連続連絡時のクッション言葉・使い分けリスト

フレーズ丁寧度緊急度おすすめの場面
五月雨式に申し訳ございません低〜中メールで追加連絡をする時(標準的)
度々(たびたび)申し訳ございません口頭・メール問わず使える万能選手
矢継ぎ早(やつぎばや)に申し訳ございません短時間で畳み掛けるように連絡する時
重ねて申し上げますが念押しや、再度のお願いをする時
追伸(P.S.)親しい相手に、本題とは別の軽い用件を足す時

✍️ 専門家の経験からの一言アドバイス

【結論】: 迷ったら「度々申し訳ございません」が最強です。

「五月雨式」は美しい日本語ですが、少し古風な印象を持つ人もいます。もし相手との関係性がまだ浅かったり、言葉のチョイスに迷ったりした場合は、誰にでも100%通じる「度々申し訳ございません」を選べば間違いありません。

まとめ:大切なのは「相手の時間を奪うこと」への配慮

「五月雨式に申し訳ございません」という言葉の本質は、「あなたの時間を何度も奪ってしまってごめんなさい」という相手へのリスペクトです。

メールが2通、3通と重なってしまうことは、仕事熱心であればあるほど起こり得ることです。そんな時、この一言を添えられるかどうかで、あなたの印象は「手際の悪い人」から「気配りのできる人」へと変わります。

ぜひ、次回の追加メールから使ってみてください。


[参考文献リスト]

コメント

タイトルとURLをコピーしました