「また」の言い換え決定版!ビジネス・メールで語彙力を高める使い分け30選

仕事・ビジネス・マナー

ビジネスメールや報告書を作成している際、ふと気づくと「また、〜」「また、〜」と、同じ接続詞を連発してしまっていませんか?

「また」という言葉は非常に便利ですが、多用すると文章が単調になり、読み手に「語彙力が乏しい」「論理構成が甘い」という印象を与えてしまうリスクがあります。

結論から言えば、「また」の言い換えは、その文脈が「追加(並列)」なのか「反復(再度)」なのか、あるいは「選択(あるいは)」なのかを見極めることで、劇的に洗練されます。

この記事では、校閲エディターの視点から、文脈に応じた最適な言い換え表現と、文章の品格を一段上げるためのテクニックを徹底解説します。


✍️ 執筆者プロフィール:言葉の専門家「文(ふみ)さん」

名前: 佐藤 文(さとう ふみ)
肩書き: ビジネス文書校閲エディター(キャリア15年)
専門領域: ビジネスライティング、語彙選択、文章の構造化

✍️ 専門家の経験からの一言アドバイス

【結論】: 「また」を言い換える前に、まずは「その接続詞が本当に必要か」を疑ってみてください。

なぜなら、接続詞を削っても意味が通じる場合、削ったほうが文章のリズムが良くなり、知的な印象を与えるからです。言い換えは、どうしても文脈を繋ぐ必要がある場合の「次の一手」として考えるのが、プロの文章術です。


1. なぜ「また」を使いすぎてしまうのか?

「また」という接続詞は、前の文章に情報を付け加える際、最も汎用性が高い言葉です。しかし、その便利さゆえに、私たちは「思考の停止」に陥りがちです。

「また」を連発する文章は、情報の優先順位が整理されておらず、単に事実を羅列しているだけに見えてしまいます。適切な言い換え表現を選ぶことは、「前の文と後ろの文がどのような論理関係にあるか」を読み手に明示する作業なのです。


2. 【文脈別】「また」の言い換えマップ

「また」が持つ3つの主要な意味(追加・反復・選択)ごとに、ビジネスで使える表現を整理しました。

文脈に応じた「また」の言い換え一覧

文脈(意味)言い換え表現(フォーマル)ニュアンス・使い分け
追加・並列加えて、さらに、あわせて前の事柄に新しい情報を上乗せする
追加・並列ならびに、および、かつ複数の事柄を対等に並べる(名詞の接続に多い)
反復・再試行改めて、再度、重ねて同じ動作をもう一度行うことを強調する
選択・代替あるいは、もしくは、ないしはどちらか一方、または別の可能性を示す

3. ビジネスシーンで役立つ実践的な言い換え例

具体的なシチュエーション別に、文章をブラッシュアップする例を見ていきましょう。

① 情報を付け加える場合(追加・並列)

  • 改善前: 資料を送付します。また、サンプルも同封いたします。
  • 改善後: 資料を送付します。あわせて、サンプルも同封いたします。
  • 解説: 「あわせて」を使うことで、送付物に関連性があることが強調され、丁寧な印象になります。

② 動作を繰り返す場合(反復)

  • 改善前: またご連絡します。
  • 改善後: 改めてご連絡差し上げます。
  • 解説: 「改めて」は、時を改めて丁寧に行うというニュアンスが含まれるため、ビジネスでの約束事に適しています。

③ 別の選択肢を提示する場合(選択)

  • 改善前: A案、またはB案でご検討ください。
  • 改善後: A案、あるいはB案にてご検討いただけますと幸いです。
  • 解説: 「あるいは」は「または」よりもやや硬い表現で、提案の場にふさわしい品格を与えます。

4. FAQ:よくある疑問

Q. 「かつ」と「また」はどう使い分けますか?

A. 「かつ」は、2つの状態が同時に成立していることを強調する際に使います(例:迅速かつ丁寧な対応)。一方、「また」は単なる情報の追加に使われることが多いです。

Q. 「ならびに」と「および」の使い分けは?

A. どちらも並列ですが、入れ子構造になる場合に使い分けます。小さいグループを「および」で繋ぎ、大きなグループを「ならびに」で繋ぐのが公用文のルールです(例:AおよびB、ならびにC)。


まとめ:語彙力は「言い換え」のストックで決まる

「また」という言葉を、文脈に合わせて「さらに」「改めて」「あるいは」などに置き換えるだけで、あなたの文章の信頼性は劇的に向上します。

  1. 追加なら「加えて」「あわせて」
  2. 反復なら「改めて」「再度」
  3. 選択なら「あるいは」「もしくは」

まずはこの3つの型を意識して、メールの一文から変えてみてください。言葉の選択が変われば、読み手の反応も必ず変わります。


参考文献リスト

  • 共同通信社『記者ハンドブック 第14版』
  • 文化庁「公用文作成の考え方」 https://www.bunka.go.jp/
  • 石黒圭『文章は接続詞で決まる』(光文社新書)

[著者情報]
佐藤 文: 校閲エディター。大手広告代理店や出版社での勤務を経て独立。現在は企業のオウンドメディア監修や、ビジネスライティングの研修講師として活動中。座右の銘は「一字入魂」。

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