「とっさに謝るとき、『すいません!』と言ってしまったけれど、失礼だったかな?」
「メールで『すいません』と打って変換できず、違和感を持ったことがある」
日常会話で何気なく使っているこの2つの言葉。いざ上司へのメールや取引先との会話で使うとなると、「どっちが正しいんだっけ?」と不安になることはありませんか?
結論から言うと、正しい日本語は「すみません」です。「すいません」は、ビジネスメールなどの書き言葉ではNGです。
この記事では、ビジネスマナー講師の視点から、2つの言葉の決定的な違いと、社会人が絶対に間違えてはいけないシーン別の使い分けを徹底解説します。
これを読めば、もう謝罪の瞬間に迷うことはなくなります。
1. 結論:正しいのは「すみません」!その理由とは
まずは、言葉としての「正解」をはっきりさせましょう。
文法的に正しいのは「すみません」
「すみません」が正しい日本語です。
これは、動詞の「済む(すむ)」に丁寧語の「ます」と打ち消しの「ん(ぬ)」がついた言葉だからです。
- 語源: 「(謝らないと)私の気が済みません」
- 変化: 済みません → すみません
「すいません」の正体は「なまり」
では、「すいません」とは何でしょうか?
これは、「すみません」を発音しやすく崩した口語(話し言葉)です。
人間は言葉を話すとき、言いやすいように音を変える癖があります(例:「体育(たいいく)」を「たいく」と言うように)。
「み(mi)」と「ま(ma)」を続けて言うのが面倒で、「い(i)」に変化したのが「すいません」です。
つまり、「すいません」は、あくまで砕けた会話用の言葉であり、正式な日本語ではないのです。
2. ビジネスメールで「すいません」は恥ずかしい?シーン別使い分け
ここが最も重要なポイントです。ビジネスシーンでは、相手との関係性やツール(メールか会話か)によって、明確なライン引きが必要です。
📊 使い分けマトリクス
| シーン | すみません | すいません | 備考 |
|---|---|---|---|
| メール・文書 | ◯(軽い謝罪・感謝) | ×(絶対NG) | 書き言葉で「すいません」を使うと、「教養がない」「幼稚」と思われます。 |
| 会話(上司・取引先) | △(軽い) | ×(避けるべき) | 目上の人への謝罪は「申し訳ございません」が正解。 |
| 会話(同僚・部下) | ◯ | ◯(許容範囲) | 親しい間柄なら、言いやすい「すいません」でもOK。 |
| 居酒屋で店員を呼ぶ | ◯ | ◯ | 「すいませーん!」と呼ぶのは自然です。 |
⚠️ ビジネスメールでの注意点
メールやチャットで「返信が遅れてすいません」と書くのは、「返信が遅れてごめんね(タメ口)」に近いニュアンスを与えてしまうリスクがあります。
文字に残る媒体では、必ず「すみません」、さらに丁寧に「申し訳ございません」を使いましょう。
3. 「すみません」は万能すぎる?謝罪だけじゃない3つの意味
「すみません」は便利な言葉ですが、便利すぎるがゆえに、ビジネスでは「軽く」見られがちです。
本来の意味を知っておくと、より適切な言葉選びができるようになります。
① 謝罪(ごめんなさい)
- 「ミスをしてすみません」
- 言い換え: 「申し訳ございません」「お詫び申し上げます」
- ※重大なミスの場合は、「すみません」では軽すぎて火に油を注ぎます。
② 感謝(ありがとう)
- 「拾ってくれてすみません」
- 言い換え: 「ありがとうございます」「恐れ入ります」
- ※ビジネスでは、何かしてもらった時は「すみません」よりも「ありがとうございます」と言う方が、ポジティブで好印象です。
③ 依頼(ちょっといいですか)
- 「すみません、注文いいですか?」
- 言い換え: 「恐れ入りますが」「失礼いたします」
- ※クッション言葉として使う場合です。
✍️ 専門家の経験からの一言アドバイス
【結論】: 口癖になっている「すみません」を、意識して「ありがとうございます」に変えてみてください。
なぜなら、日本人は感謝の場面でもつい「すみません(恐縮です)」と言ってしまいがちですが、言われた相手は「謝らせてしまった」と感じるからです。「資料作成、すみません」より「資料作成、ありがとうございます」と言われた方が、相手も仕事をしてよかったと思えますよ。
4. まとめ:迷ったら「申し訳ございません」が最強
「すみません」と「すいません」の違い、スッキリしましたか?
- 正解: すみません(「済む」が語源)
- 口語: すいません(発音しやすいように崩れた音)
- 鉄則: メールや書き言葉では絶対に「すみません」を使う!
そして、ビジネスの謝罪シーンで迷ったら、「すみません」よりも「申し訳ございません」を選んでおけば間違いありません。
言葉遣いは、あなたの信頼を形作る大切な要素です。自信を持って使い分けてくださいね!
📚 参考文献
- 文化庁『敬語の指針』
- NHK放送文化研究所『「すいません」と「すみません」』


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